こんにちは。四谷学院療育通信講座、55レッスンの生田です。
発達障害児支援士の方とお話ししたときに、
「療育とか発達支援は、結局は子育ての知恵ですよね」
と言われました。
とても納得できる言葉でした。
今回は、そんな「子育ての知恵」をご紹介していきます。
「子どもはほめられて伸びる」の本当の意味は?
幼い子供たちが、
「ねえねえ、見て!」「できた!すごい?」
こんな風に大人の気をひく場面はよくありますよね。
すると大人は
「どれどれ?へえ~すごいね!」
などと応えます。
そのとき、子供はきっととっても満足そうな顔をしているのではないでしょうか?
こんな風な、見てもらいたい、ほめてもらいたい、認めてもらいたい、というのは承認欲求の表れと言えるでしょう。
子どもは、自分の思いを受け止めてもらうことで、自分に自信を持つことができ、気持ちも安定します。
これは自己肯定感という大きな土台となり、新しいことへのチャレンジや、失敗しても立ち直る力に繋がっていきます。
よく「子どもはほめると伸びるよ」とか「ほめられて伸びるタイプです」というような話を聞くかと思いますが、子どもは褒められるから伸びるわけではなく、受け入れられ安定することで、すくすくとあるべき成長ができるということかと思います。
発達障害のある子どもへの配慮
ここまでの話はまさに「子育ての知恵」でした。発達障害があってもなくても、同じことが言えます。
大事なことなのでもう一度言います!
なぜ発達障害の子どもにとって「ほめる」ことが特別重要とされるのか?
それはとても単純なことです。
発達障害のある子どもは、障害特性ゆえに「失敗することが多い」からです。
・失敗して叱られる
・周りと同じようにできない
・がんばってもほめてもらえない
こうしたことが、発達障害のある子どもには起こりがちなのです。
するとどうなるかというと、自己肯定感が持てずに気持ちが不安定になります。新しいことに対して大きな不安をもち、失敗したくない気持ちが強くなります。
つまり、できるはずのことも、できなくなってしまうのです。
ほめることは比べることではない
大人になると、褒められる機会が減りますよね。子どものことにはできてほめられたことも、大人になるとほめられなくなります。
たとえば、「こぼさず食べられたね!」「1人でトイレに行けたね」
大人になったら誰もほめてくれませんよね?
それは<当たり前>だから。
でも・・・・<当たり前>って誰が決めたのでしょうか?
発達障害のある子どもには、障害特性があります。
周りの子どもが何気なくやっていることが、できなかったり、自然に習得できるようなことでも、きちんと教えないと習得が難しかったり。
私達の<当たり前>とは異なる<当たり前>を持っています。
ですから、子どもの<当たり前>に寄り添ってあげてほしいと思います。
私達にとっては<当たり前>でも、子どもにとって<当たり前>でないことならばぜひとも盛大にほめてあげてください!!
保護者の承認欲求
子どものほめられたい気持ち「承認欲求」を大切にする一方で、私達は、保護者や支援者の方の「承認欲求」も大切だと考えています。
大人になると褒められる機会が減りますし、やるべきことの期待値も高まります。保護者・支援者の承認欲求が満たされるのは、大きく3つあるように思えます。
1.上達している実感
2.人の役に立っている実感
3.努力が評価されている実感
お仕事でも、子育てでも、この3つが満たされると、前向きな気持ちで意欲的に取り組めるかと思います。
逆に、これらが感じられないと、不満・ストレスを感じてやる気がなくなってしまうのではないでしょうか?
四谷学院の取り組み
四谷学院では、保護者や支援者の皆さんが前向きに療育や発達支援に取り組めるよう、しっかりお伝えするようにしています。
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このブログは、四谷学院「発達支援チーム」が書いています。
10年以上にわたり、発達障害のある子どもたちとご家庭を支援。さらに、支援者・理解者を増やしていくべく、発達障害児支援士・ライフスキルトレーナー資格など、人材育成にも尽力しています。
支援してきたご家庭は6,500以上。 発達障害児支援士は2,000人を超えました。ご家庭から支援施設まで、また初学者からベテランまで幅広く、支援に関わる方々のための教材作成や指導ノウハウをお伝えしています。
このブログでは、発達障害のあるお子様をはじめ保護者の方やご家族、支援者の方が笑顔で毎日を過ごせるよう、療育・発達支援のヒントを発信していきます。
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