冬休み明けの登園渋り・登校渋りを未然に防ぐには?【不登校への事前対策】

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こんにちは、55レッスンの生田です。
クリスマスにお正月と、楽しいイベントが続く冬休み。
家族団らんの時間、心地いい時間が過ぎて、いざ学校が始まる頃になると「学校に行きたくない」と元気がなくなってしまうお子さんもいらっしゃるかもしれませんね。
せっかく学校生活に慣れても、長期休暇があると振り出しに戻ってしまうように感じられるのは、お子さんにとっても親御さんにとっても辛いことでしょう。

そこで今回は、お子さんの登園・登校渋りを未然に防ぐ方法についてご紹介していきます。

なぜ登園・登校したくないのか?

発達障害のあるお子さんは、
・コミュニケーションが苦手
・視覚や聴覚の感覚過敏
・落ち着きがない、不注意が多い
などのさまざまな特性をもっており、その程度もお子さんによってかなりの差があります。

園や学校の中では、常にこれらの特性と向き合うことになるため、不安やストレスを抱えやすい状態にあると言えます。
ご家庭という安心できる空間で長い間過ごしていると、登園・登校に抵抗を感じやすくなるのも無理はありませんね。

また、子どもが園・学校に行きたがらない理由として、大人は人間関係のトラブルを想像しやすいかと思います。
でも、行き渋りがあるからと言って、必ずしもなにかのトラブルが生じているわけではありません。
さまざまな特性が絡み合っているがゆえに、子ども自身が行きたくない理由を明確に分かっていないこともありますし、相対的に家にいる方が楽という理由から登園・登校を渋る場合もあるからです。

登園渋り・登校渋りを未然に防ぐ方法

日々のルーティンを決める


長期休暇に入った途端、「おやすみモード」に入ってしまうと、そこからスイッチを切り替えるのはなかなか難しいものです。
なるべく起きる時間や寝る時間、食事の時間などは、園・学校に行っている間と同じサイクルで過ごすことが望ましいでしょう。

また、冬休み中に勉強やお手伝いのルーティンを決めておくことで、家庭生活にメリハリが生まれます。
「できた!」という達成感を積み重ねられる機会にもなりますよね。

もちろん、せっかくの冬休みですから、ご家庭でのんびり過ごす時間も大切です。
その上で「いつもと同じように過ごす部分を決めておく」ことは、次に園・学校に行くハードルを下げることにつながります。

人との交流を保つ

長期休暇は家にいる時間が長くなるので、自然とお友達や園・学校の先生と会う機会も少なくなります。
ひとりで過ごす時間や家族で過ごす時間に慣れてしまうと、次第に学校に行くモチベーションが下がってしまうかもしれません。
そこで、冬休み中もお友達と遊ぶ約束をしたり、年賀状を出し合ったりして、家庭以外のネットワークを維持しておけるといいでしょう。
年が明けて、先生やお友達から年賀状が届いたら「新学期に会えるのが楽しみだね」と声かけするきっかけにもなりますね。

学校へ行ったらどんな“いいこと”がある?

そもそも登園渋り・登校渋りをするお子さんは、本当に「園や学校に行きたくない」のでしょうか?
もちろん、お子さんによっては深刻な問題を抱えている場合もありますが、「実際に行ってみたら楽しく過ごせた」というパターンも多いのではないかと思います。

学校に行かせることが目的ではない

「園・学校に行かせる」ことが目的とならないように、声かけの仕方には工夫が必要です。

望ましくない声かけ
▲「どうして学校に行きたくないの?」
ネガティブ、あるいは不明瞭な答えになりがち。
望ましい声かけ
◎「学校に行ったらどんな“いいこと”があるかな?」
ポジティブ、かつ具体的な答えを引き出せる!

どうでしょうか。
お子さまからポジティブな答えを引き出せそうでしょうか?

・給食の時間が楽しみ
・休み時間にお友達と遊べる
・課外活動に参加できる

どんな些細なことでもかまいません。
お子さんが学校に行くことを前向きにとらえられるような答えを引き出せるといいですね。

“楽しみ”を視覚化する

“いいこと”を思いついたら、実際に紙に書いてみて、お子さんの部屋やリビングなど、よく目に入る場所に貼り出しておけるといいでしょう。
定期的に見返す習慣を身につけると、長期休暇が明けるタイミングでも「園・学校へ行く」という選択をとりやすくなります。

「あと3日で○○くんに会えるね」
「体育の授業が楽しみだね」
といった風に、プラスの声かけもしやすくなりますよね。

万が一、学校に行くことで考えられる“いいこと”がお子さんの口からほとんど出てこないようであれば、園生活・学校生活を見直すきっかけにもなります。
そういった場合は、先生と相談しながら、無理せず「園や学校を休む」という選択肢を検討してみてもいいかもしれません。

新学期が始まったら…

実際に、登園・登校ができたら、一緒にその日の振り返りをしましょう。
予想以上に疲れている様子などがあれば、翌日以降の登園・登校のペースや方法を検討します。
園や学校の先生とも相談しながら、お子さんの意思や気持ちを尊重していきたいものです。
こちらの記事もご参照ください。

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冬休み明けの登園渋り・登校渋りを未然に防ぐには?~まとめ~

さて、ここまで、休み明けにお子さんが園や学校に行きやすくなる工夫についてご紹介してきました。

最終的にはお子さん自身が自己決定感をもって、「園・学校に行く」という選択ができるようになってほしいですよね。
「園・学校へ行ったらどんな“いいこと”がある?」という問いは、子どもが自分にとって大切なことを考えるきっかけにもなります。

ずっと家で過ごすことは、確かに安全で安心だけど、学校に行ったらもっと楽しいことがあるかもしれない。
それは、お友だちと遊ぶことや好きな授業を受けられること、給食のデザートを食べられること……お子さんにとってさまざまかと思います。
そして、お子さんが休み明け、登園・登校を渋ったときに、改めてこの問いの答えを一緒に振り返ってみます。
そうすると、学校へ行くことへの期待感が高まって、「がんばって行ってみようかな」という気持ちになるかもしれませんよね。

 55レッスンは、発達障害のあるお子さんでも無理なく取り組める家庭療育のための通信講座です。 

園や学校の長期休みに家庭学習の習慣を維持することは、生活のメリハリにつながります。
四谷学院では担任の先生がつきますから、毎月、お休み中ももちろん、家庭生活から園生活・学校生活のことまで通信指導でトータルにサポートします。
お子さんと保護者様が心身ともに、健やかな状態で新学期を迎えられることを、55レッスン一同応援しています。

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