発達障害児の6割以上は睡眠に問題がある!睡眠リズムを整えるには【発達障害児支援士がアドバイス】

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こんにちは、四谷学院の発達障害児支援士、発田です。

「うちの子、寝つきが悪くて……」
「どうしても朝起きられないんです」

こんなお悩みをよく耳にします。

発達障害の特性は様々であり、また、その程度もお子さんによってかなり差があります。
そうした特性の1つとして、発達障害のお子さんは睡眠障害を合併しやすいことが知られています(厚労省HPより)。
ある調査では「発達障害のあるお子さんの6割以上は睡眠に問題がある」というデータが出ているんです。
実際お話を伺ってみても、睡眠リズムを整えることを課題にしているご家庭が多いように感じます。

今回は、そんなお子さんの睡眠について考えてみます。

睡眠障害の具体的な症状

子どもの睡眠障害によくみられる症状の例をご紹介します。

寝つきが悪い

眠ろうとしてもなかなか眠れない。布団に入ってから眠るまでに時間がかかる。

布団に行きたがらない

寝ることを嫌がる、時間になってもなかなか寝る体勢に移れない。

途中で目が覚める

眠っていても深夜あるいは朝方に目を覚ましてしまう。

不規則な睡眠

夜遅く寝たり、昼寝をしてそのまま寝てしまったり、不規則な睡眠で昼夜逆転してしまうことも。

朝起きられない

夜の寝つきが悪かったり、途中で目覚めたりするために、朝起きられない。
あるいはとても寝起きが悪い。

いびきや寝言

睡眠中にいびきや寝言、あるいは寝ぼけたり夢見が悪いなど、睡眠の質が良くない。

睡眠リズムを整えるには

園や学校だけ、あるいは家だけの取り組みで睡眠リズムを整えることはむずかしいでしょう。
そのため、やはり双方の連携が大切になってきます。

たとえば、「今日は寝不足」という状況でも、保護者によっては求める対応が異なる場合があります。

(1)今夜しっかり眠れるように、積極的に活動に参加させてほしい
(2)眠そうであれば昼寝させてほしい

お子さんの状況を踏まえたうえで、園や学校としっかりコミュニケーションをとり、お子さんにとってベストのサポートをしたいものですね。

家庭でできること

生活リズムを整えることは、すべての活動の土台となります。
時間を守ることができる、楽しく食事ができる、朝の支度がスムーズにできるといったライフスキルを身につけるためには、規則正しい生活が欠かせません。
とはいうものの、どうやって何を子どもに教えればいいのか?具体的にどんなトレーニングが有効なのか?分からないことも多いと思います。

四谷学院では、保護者が家庭でできるライフスキルトレーニングを学べる通信講座を開講しています。
睡眠や食事、トイレあるいは買い物やお掃除など、生活の土台となる「ライフスキル」は、ご家庭で教えることで大きな成果が見込まれます。
また、おうちでの適切なトレーニングを通して、お子さんが毎日を快適に過ごせるようになるのはもちろんのこと、将来の自立に向けての準備にもなります。

家族がお子さんの最高のトレーナーになれる「発達障害児ライフスキルトレーナー」を目指してみませんか?

施設や学校でできること

施設や学校、園だけで、子どもの睡眠に関与することは難しいかもしれません。
支援者として、まずは子どもの様子を共有し、保護者に寄り添うことを大切にしてほしいと思います。
「ご家庭で何とかしてください」「活動に参加できなくて●●ちゃんがかわいそうです」という風に保護者を責めてしまうと、信頼関係が構築できず、必要な相談もしてもらえなくなってしまいます。

こんなアドバイスが有効です。

睡眠が課題であるということを共有する

ご家庭での対応を責めることなく、まずは今の状況を受け止めることが大切です。
「なかなか寝てくれないと、お母さんも大変ですよね。」
「スケジュールがずれてしまうんですね。」
「お父さんも寝不足ですか、それは困りましたね。」
など、保護者の言葉をそのまま繰り返すだけでも安心につながり、続くアドバイスを受けれ入れもらいやすくなります。

睡眠の改善で期待できるうれしいことを共有する

睡眠が改善できれば、こんなに良いことが起きる、ということを保護者と共有しましょう。
ダメなことを責められるばかりでは、モチベーションは高まりません。
こういう風になりたい!きっとなれる!という前向きな姿勢で現状を把握してもらえるような声かけが有効です。

例:十分な睡眠で集中力が増せば、苦手な●●も上手になるだろう。
例:便秘の改善につながり、体調がよくなる。
例:機嫌のいい時間が増えれば、おうちでも楽しく過ごせる。

園や学校、施設の支援者の方へ

四谷学院では、支援者が保護者対応について学べる通信講座を開講しています。
発達障害児支援士資格認定講座は、発達障害についての知識を具体的な支援例を学びながら身につけることができます。

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