こんにちは、55レッスンの生田です。
保育所等訪問支援をご存じでしょうか。もしかすると、すでに利用されている方もいらっしゃるかもしれませんね。
今日は、保育所等訪問支援とはどんなサービスなのか、またサービスを受けるにはどういった手順が必要なのかを見ていきたいと思います。
目次
保育所等訪問支援とは
保育所等訪問支援とは、福祉サービスのひとつです。平成24年の児童福祉法の改正に伴って開始されました。
以前ご紹介した「児童発達支援事業」や「放課後等デイサービス」と同じ「障害児通所支援」のサービスに分類されます。
他の福祉サービスとの違いは、特定の施設や教室に通うのではなく、普段通所している保育所や幼稚園、認定こども園、小学校などの教育機関に専門のスタッフが訪問し、そこで支援を受けられるところです。また、保育所等訪問支援は、訪問先施設からの要請ではなく、保護者からの要請に基づいて派遣されるというのも特徴の一つです。
どうすれば保育所等訪問支援を受けられるの?
保育所等訪問支援を利用するためには、お住まいの市区町村での手続きが必要になります。
手続きの流れは、各自治体ごとによって異なりますが、ここでは、大まかな流れをご説明します。こちらはあくまで一般的な流れで、手続きには1~2か月かかる場合が多いようです。
(1)市区町村の担当窓口に相談
お住まいの市区町村の担当窓口に保育所等訪問支援の利用について相談します。
(2)障害児相談支援業者を選ぶ
市区町村の担当者と、障害児相談支援業者を決めます。障害児相談支援事業者は、訪問先に連絡・訪問し、保育所等訪問支援事業の派遣が必要かどうか確認します。
(3)障害児相談支援事業者との面談
保育所等訪問支援の派遣が必要と判断されたら、保護者とお子さん同席の上で障害児相談支援事業者と面談を行います。
その後、障害児相談支援事業者は、保育所等訪問支援事業者と訪問先の担当者を交え会議を開き、障害児支援利用計画(案)を作成し、その後、市区町村による支給決定を受けます。
(4)訪問日を決める
受給者証の支給が決定すると、保育所等訪問支援事業者によって個別の支援計画が作成されます。それをもとに、事業者・訪問先・保護者で訪問日を決めます。
利用料はどれくらいかかるの?
2019年10月1日より、3歳から5歳までの障害のある子どもたちの児童発達支援等の利用者負担が無償化されました。対象期間は、満3歳になって初めての4月1日から3年間となっています。
また、上記に当てはまらない0~2歳や、小学生以上のお子さんの場合は、利用料が必要になります。その場合の利用料は1割負担となり、だいたい1回あたり1,000円程度のところが多いようです。
ひと月ごとにサービスを何回利用できるかは、受給者証の発行時に決められます。利用料は月ごとに上限があり、この上限額は保護者の年収によって異なります。金額は以下の通りです。
・年収が概ね890万円未満の市町村民税課税世帯…4,600円/月
・年収が概ね890円円以上の市町村民税課税…37,200円/月
サービスを受けられる回数はどれくらい?
訪問頻度に規定はありませんが、おおむね2週間に1回程度の訪問支援が想定されています。
月ごとに利用できる回数の上限は、受給者証に記載されています。
保育所等訪問支援ではどんなことをするの?
保育所等訪問支援では、実際にどんな支援が行われているのでしょうか。具体的に見ていきましょう。
なお、記載の内容はほんの一例になります。実際に訪問支援が入る際は、お子さんや保護者の方のニーズに合わせて、課題ごとに目標を決めて、支援を行っていきます。
お子さんに対する支援(直接支援)
日常生活の動作の支援
お子さんの課題に合わせた支援を行います。例えば、食事や着替え、トイレの介助など、支援員が1対1で付き添い支援する場合が多いです。
コミュニケーション・集団生活の支援
お子さんのコミュニケーション能力を向上するための支援を行います。例えば、発語が少ない、または見られないお子さんの場合は絵カードや身振り手振り、アイコンタクトなどお子さんの発達に沿ったやり方を使って自分の気持ちを伝えらえるようにしていきます。
また、他のお子さんとの関わりや、集団への参加に課題があるお子さんの場合は、支援員が仲介役となって周囲と適切な関わりができるように促します。実際に他のお子さんと関わる場面を想定して、ロールプレイやごっこ遊びを行うこともあります。
施設に対する支援(間接支援)
保育所等訪問支援事業では、訪問先のスタッフとも連携をとっていきます。支援員が直接訪問先スタッフに指導・助言することもありますし、支援員がお子さんと関わっている姿を見せることで、お子さんとどのように接すればいいのかのモデルになるという間接的な指導も行います。これにより、支援員が訪問していない日でも、通所先のスタッフがお子さんにあった支援・指導をしやすくなるというメリットがあります。
保護者への報告・アドバイス
保育所等訪問支援における支援について報告をしたり、保護者からの相談に対してアドバイスをしたりします。
保育所等訪問支援とは?-まとめ-
今回は、保育所等訪問支援についてお話してきました。
保育所等の通所施設では、慢性的な人手不足もあり、なかなかひとりのお子さんの支援に時間をかけることが難しいとされています。保育所等訪問支援を利用すれば、お子さん一人ひとりに合わせた支援を受けることができ、また、保護者の方も専門的なアドバイスを受けることができます。
しかし、先ほども述べたように訪問回数はだいたい月に1~3回程度になっていますので、少し物足りないと感じる方もいらっしゃるようです。
四谷学院の55レッスンでは、毎日療育に取り組むことができます。 また、課題に関することは担任の先生にいつでもメールで質問・相談できます。詳しくはホームページをチェック!(この記事の参考資料)
障害児通所支援(児童福祉法) 町田市ホームページ
町田市子ども発達センター 保育所等訪問支援事業について まちだ子育てサイト
児童福祉法(障がい児通所支援) 障がい福祉課 倉敷市
障害児通所支援の利用について 八戸市
保育所等訪問支援について 市川市公式Webサイト
保育所等訪問支援 こどもをはぐくむ柏市子育てサイト はぐはぐ柏
このブログは、四谷学院「発達支援チーム」が書いています。
10年以上にわたり、発達障害のある子どもたちとご家庭を支援。さらに、支援者・理解者を増やしていくべく、発達障害児支援士・ライフスキルトレーナー資格など、人材育成にも尽力しています。
支援してきたご家庭は6,500以上。 発達障害児支援士は2,000人を超えました。ご家庭から支援施設まで、また初学者からベテランまで幅広く、支援に関わる方々のための教材作成や指導ノウハウをお伝えしています。
このブログでは、発達障害のあるお子様をはじめ保護者の方やご家族、支援者の方が笑顔で毎日を過ごせるよう、療育・発達支援のヒントを発信していきます。
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