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言葉が出にくい発達障害の子に会話を教える指導例

  公開日:2017/10/30
最終更新日:2017/12/22

※この記事は約8分で読めます。

こんにちは。四谷学院の療育通信講座、ブログ担当のnecoです。

 

言葉が出ない、言葉が遅い子供たちに、言葉の育ちを促す働きかけを考える連載記事です。

第1回の記事 ⇒ 言葉が遅いと発達障害?言葉が育つプロセスとは
第2回の記事 ⇒ 大人とのやりとりに興味がない子に言葉の育ちを促す
第3回の記事 ⇒ 言葉が出ない理由と言葉を引き出す働きかけ
第4回の記事 ⇒ 言葉が出ないまたは遅い子の語彙を広げる働きかけ
第5回の記事 ⇒ 言葉が出ないまたは遅い子に文法を教えるには
第6回の記事 ⇒ 今ご覧のこの記事です

 

言葉の発達のどのプロセスでつまずいているかによって、適切な働きかけは変わってきます。
耳と口に器官的な問題がなく、言葉の遅れが脳の働きの偏りから来ていると考えられる場合について、どの段階でのつまずきにどんな働きかけが効果的か、発達のプロセスを踏まえながら考えてみましょう。

言葉の発達のプロセス

言葉の発達のプロセスを大きく分けると、

1.大人とのやりとりを体験する
2.単語を覚える
3.言葉でコミュニケーションをはかる
4.文法を理解する
5.会話ができるようになる

このような段階を踏んで言葉を身に付けていくのでしたね。

詳しく復習したい方はこちら

 

前回は、4つ目のプロセスについて、言葉が出ない・遅い子に、細かいステップを踏んで文法を教える働きかけをご提案しました。
今回は、5つ目のプロセスについて、会話ができるようになるための働きかけを考えてみましょう。

 

会話の流れ

わたしたち大人の中にも、会話が苦手という人が決して少なくないように、会話とはなかなか難しいやりとりの一つです。
わたしたちが会話をする時、実際にはどんな”作業”をしているのか、細かく見てみましょう。

相手の話を聞く
聞きながら同時に自分の返答を考える
返答を口にしながらその音を自分の耳で聞き確かめる
同時に自分の話を聞く相手の反応を見る
相手の話を聞く
また自分の返答を考える


このようなプロセスを延々と繰り返し、相手とテンポを合わせて、自分と相手の話す順番やタイミングをはかったり、身振り手振りを入れたり、適切なあいづちを打ったり、周囲の状況の変化にも気を配ったりしているのですから、会話とは本当に高度な働きなのですね。
どちらかというとnecoも会話が苦手なので、おしゃべりが上手な人に出会うと、スゴイなあといつもつくづく思います(^ ^)

特に、発達がゆっくりである、または発達に偏りがあるために言葉に苦手さを持っている子供たちにとっては、会話はかなり難しい活動です。
わたし自身も、どうやらふつうらしく会話ができるようになったのは高校生になってからで、誰とでも一通りやりとりができるようになったのは社会人になって何年も経ってからでした。
保護者の皆さんには、長い時間をかけて、根気よく練習するつもりで取り組んでいただければと思います。

 

会話の練習の一例

会話の練習は、お子さんの語彙力、積極性、発達段階、得意不得意などに応じて、さまざまな方法が考えられます。
今回はごく一般的な一例をご紹介します。
このままのやり方が全てのお子さんに当てはまるわけではありませんので、お子さんのご様子に合わせてアレンジしてみてくださいね。

テーマを決めて話す

練習の目的
○話すことを自分で思いつく
○起承転結を意識して話す
○時間を意識して話す
○相手を意識して話す

 

ご本人の好きなもの(具体物が望ましい)を一つ選んで目の前に置き、それについて話す練習をします。

すらすらと話せる子には

最初は自由に話させ、慣れてきたら、起承転結を決めて時間内に話す練習に進みます。
起承転結を含めた話し方のフォーマットを決めて、事前に話すことを組み立てる練習も効果的です。

なかなか言葉が出てこない子には

それについて思いつくことを単語で挙げていくところから始めます。
最初は大人が質問して言葉を引き出していくと良いでしょう。
たとえばミニカーについて話すとしたら、

大人
これは何?
子供
大人
なんという車?
子供
○○(車種)
大人
誰が買ってくれたの?
子供
お父さん
大人
どんなところがすき?
子供
かっこいいから

といったようにです。

出てきた答えは一つずつ付箋に書き留めていきましょう。
一通り言葉が出たら、大人が全体を文章にまとめます。

「ぼくが好きなものは、○○という車です。
お父さんが買ってくれました。
かっこいいから好きです。」

といったようにです。
これを子供に読み上げてもらいます。
慣れてきたら少しずつ大人の支援をゆるめ、子供が自分で「話すことを思いつける」ようにしていきます。

 

1問1答式でやりとりする

練習の目的
○タイミングを逃さず答える
○話す順番を意識する
○会話全体のタイミングをはかる

 

大人が質問し、子供がその場で答えます。
どちらが発言する順番なのかを明確にするために、話者がぬいぐるみなどの目印を持ち、話し終わったら相手に渡すようにすると良いでしょう。
最初は1問1答の想定問答集を作っておき、その通りにやりとりします。
慣れてきたら、同じ問答集の中からランダムに選んでやりとりします。
できるようなら、子供たち同士でやりとりするのもとても良い練習になります。

 

ふさわしい態度をとる

練習の目的
○会話の相手に良い印象を与える
○会話のルールを学ぶ

きちんと会話している、あなたの話に興味を持って聞いている、という印象を与えるには、会話中の身振りや態度も重要です。
言葉が少々ぎこちなくても、態度から誠意を読み取ってもらえることもあります。
ただし、身体活動は人によって得意不得意が大きい分野ですので、優先順位を考えて練習しましょう。
ふさわしい身振りをとることがどうしても苦手だが、話す分には話せる、というのであれば、態度はともあれ話す内容を洗練させていく方が、その子にとっては効果的な戦略かもしれません。

お子さんが人と接する時の態度をよく観察して、足りない部分を練習する、という形で進めるのが良いでしょう。

○身体の正面を相手に向ける
○相手の目(苦手ならば眉間、鼻、あご、ネクタイの結び目あたり、など)を見る
○同じところをずっと見つめるのではなく時折そらす
○手足をそわそわ動かさない
○手をポケットに入れず身体の横に自然に垂らす
○場面に応じた声の大きさ、トーンを心掛ける

などなどが考えられます。

 

先ほども書いた通り、これらはあくまでも一例です。
実際の練習では、お子さんの様子をよく見つめて、お子さんが無理なくやりとりを楽しめるような支援方法を工夫してみてくださいね。

55レッスンなら、ご家庭での指導方法に迷われた時も、通信指導でお気軽にご相談いただけるので安心です。
経験豊かな担任が、お母さん・お父さんとご一緒に、お子さんに一番合う方法を模索していきます(^  ^)

 

 

言葉の育ちについての連載記事は以上です。
もっと読んでみたいことがあれば、コメント欄でご連絡ください。
それでは、また!

 

 

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